半導体チップを製造するプロセスは何十種類とあり、前工程や後工程と呼ばれるフローを、ウエハは何度も何度もプロセス装置で処理を受けます。
しかもチップの構造によって、プロセス装置の内容も異なり、各半導体メーカーの生産工場で保有している装置の種類・メカニズムが大きく異なることもあります。
大まかに半導体チップの種類を分別すると、このようになります。
半導体材料(ウエハ材料)として使用されるのは、基本的に単元素系材料と化合物系材料です。
シリコン半導体と言われれば、一般的に『単結晶シリコン』のことを指します。
その反対に多結晶シリコンのことをポリシリコンや半結晶シリコンなどと呼びます。
多結晶とは、その名の通り、シリコン以外にも違う元素が結合しているシリコンのことです。
各半導体製品によって選択されるウエハ材料は異なりますが、一般的には単結晶シリコンが広く使用されています。
その純度は99.999999999%まで処理されており、一般的にこれを『イレブンナイン』と呼ぶことがあり、11個9が並ぶウエハのことを意味しています!
シリコンウエハについて詳しくは、こちらを参考にしてください!
半導体チップの生産工程とは?
半導体プロセスには大きく分けて2つ、『前工程』と『後工程』に分類されます。
さらに『前工程』は更に『フロントエンド(FEOL、Front End Of the Line)』と『バックエンド(BEOL、Back End Of the Line)』に分類されています。
- フロントエンド:トランジスタなどのコンポーネント層を形成
- バックエンド:電流を供給する配線層の形成
また半導体プロセスは、微細な回路を形成する必要があり、埃もゴミの付着が大きな原因となります。
半導体チップの製造工程では、クリーンルームという空気中の埃やゴミが浮遊しにくい特殊な部屋で製造されます。
その半導体チップの生産工場(ファブ)といい、高性能な環境とプロセス装置の配置など、生産環境を造りあげるにも膨大な投資が行われることで、高性能の半導体チップを生産することができます。
前工程と後工程については、こちらも参考にしてください!
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前工程と後工程のプロセスの違いとは?
ここから実際に半導体が製造されるプロセスについてご紹介していきます。
まず先に半導体チップと呼ばれているものの正体は、『ICチップ』や『LSIチップ』と呼ばれる集積回路です。
- IC:トランジスタや抵抗などの部品が、半導体材料上(ウエハ)に搭載された集積回路。
- LSI:ICの部品を更に多く搭載し、数千〜数万以上にまで大規模化した集積回路。
集積回路について詳しくは、こちらを参考にしてください!
集積回路(Integrated Circuit,IC)と聞くと、馴染みはありませんが、普段の生活と切り離せないほどありふれた存在です!例えば集積回路が使用されているものは以下のように多くあります。集積回路が使われているものと[…]
そのICやLSIなどの半導体性能の層を形成するプロセスを『前工程』と呼び、ウエハ上に形成された半導体層をダイシングし、パッケージして出荷することを『後工程』と呼びます。
後工程の最終プロセスにパッケージ工程がありますが、そちらについて詳しくはこちらを参考にしてください!
このように前工程と後工程ではウエハの処理に大きな違いがあるため、基本的には工場が分けられています。
昔はウエハのサイズも小さく、前工程と後工程の規模も比較的小さかった為、同じ敷地内に前工程と後工程の2つの工場があることがありました。
しかし現在では、ウエハの生産量も圧倒的に増えており、それに対応する各プロセスの装置数も膨大になりますので、敷地の制約も出てきています。